2025年6月15日第95回句会を行いました

· 句会

昨日までの雨もようやく小降りになり、16名もの参加をいただきました。新しい方も来てくださって、益々快調です。

broken image

今日は探題2句、じっくりと語り合いました。

高得点句は!

梅雨に入るくねくね問答研究所

岡野 直樹     探題:研究 

「研究」からよくぞ「くねくね問答研究所」と至りました。実際にはありえない「研究所」です。いったいなんのこっちゃ?!との思いに駆られます。それでいいんです。「くねくね」と「梅雨に入る」が実に効いています。

  

あきらかにそっちのミスよ青蛙

松代 享子     探題:青蛙

普通に読めば「青蛙」で切れています。「そっちのミスよ!」と叫ぶお姉さんの顔が「青蛙」に見えてくるから不思議です。山口百恵を思い出した人もいました(プレイバック part 2ですね)。グリム童話の『蛙の王子さま』(もちろん王子になれない蛙)、いやいや蛙の鳴きあうのは、お互いに「そっちのミスよ!」と言い合っているという意見もありました。

ハミングは紫陽花の角曲がりつつ

佐藤 香珠     探題:紫陽花

実に気持ちのいい句です。「角」を現すのに「紫陽花」としたところが秀逸です。軽やかな気分の主人公が「曲がりつつ」とあらわされたことで、時間の経緯が見え、映画のワンシーンのようです。

明日こそ天然記念オレ毛虫

太田 博     探題:毛虫

本当は「天然記念物」なのでしょうけど、読者がそこは補って読んでくれます。「天然記念物」は種に与えられるものであって、個々の「毛虫」に付けられるものではないはず。そこに「オレ」と持ってきたことでユーモアあふれる句になりましたた。