少し雨が気になったもののなんとか持ちこたえ、不思議の町、出町柳に19名もの俳句好きが集まりました。まずは鴨川デルタへ。


そこから 桝形商店街へ。いったんここで解散。思い思いに町を巡ります。

ある者は新緑が美しい下鴨へ

ある者は三井家のお屋敷へ

そして、ある者は・・・レトロな喫茶店

さて、句会です
高得点句は!
行く春を大正ガラス越しに見て 石飛八代恵
これは「旧三井家下鴨別邸」を詠んだ句ですね。大正時代のガラスは今のようにまっ平ではなく、どこか波打っています。手作りが故です。分厚いところには気泡が入っていたりします。そのガラス越しに見る景色は微妙に歪んで、不思議な雰囲気を醸し出します。実際なのに実際でない。そのガラス越しに「行く春」を見ています。「大正ガラス」という具体的な物から、抽象的な「行く春」が見える。その飛躍が見事です。あの不思議なガラスなら見えるかも、という説得力があります。
新緑を聴く為イヤホンはずします おおさわほてる
「新緑」は見るものであるのに、敢えて「聴く」としました。そのことで「新緑」が際立ちました。ただ「為」が説明的ではないかとの意見もありました。互評の句会ならではです。それ受けてこう直しました「新緑を聴きますイヤホン外します」いかがですか?
夏連れて亀の石とぶ女の子 水野 洋子
「鴨川デルタ」には対岸へ渡れるように、「亀」や「千鳥」の大きな石が飛び飛びに置かれています。子供たちは勢いよくとび、渡っていきます。その景を詠みました。「夏連れて」がいいですね!たとえ吟行でも、実際の景を題材に、このように不思議に飛躍したいものです。

最高点句のとびちゃん!