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八月十六日の大文字送り火。三年ぶりの全山全面点火でした。奇跡的に点火中だけ雨がやみました。不思議なもので、大文字が過ぎると京都には秋の風が吹き出しました。
さて今回も初めての方、遠方の方、他の結社の方と多彩な顔ぶれが集いました。


席題は、海月、くらげ(夏の季語です)
探題も出そろいました。
高得点句は!
海月だけ僕のかなしみ気がついた おおさわほてる 席題:海月
なにか悲しみから逃れたくて、一人やってきた水族館。一匹のクラゲと目が合ったのでしょう。「ああ、あのこだけが、僕のかなしみわかってくれる」とほんの少し癒されたのかもしれません。
「僕」を多用するするこの作者の特徴が如実に出ていて、「またか」との思いを抱いた人も多く(つまり作者を特定できてしまう)、やはり常に自分の殻を破ることが求められます。
蚊柱や郵便局のあったはず 岡村 知昭 探題:蚊
夏の夕暮れ時、柱状に群らがっています。よく見る上下左右に飛んでいます。なぜこのような事をするのか、よくわかりませんが、決して気持ちのいいものではありません。どこか不気味ですらあります。 挙句は『蚊柱や』と強く切れています。郵便局が無くなってしまったことが信じられないのでしょう。忽然と姿を消した郵便局。そこに妖しく蚊柱が。まるで異界に紛れ込んでしまったかのようです。