2022年8月21日第64回句会を行いました

· 句会

八月十六日の大文字送り火。三年ぶりの全山全面点火でした。奇跡的に点火中だけ雨がやみました。不思議なもので、大文字が過ぎると京都には秋の風が吹き出しました。

さて今回も初めての方、遠方の方、他の結社の方と多彩な顔ぶれが集いました。

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席題は、海月、くらげ(夏の季語です)

探題も出そろいました。

 

高得点句は!

海月だけ僕のかなしみ気がついた    おおさわほてる    席題:海月

なにか悲しみから逃れたくて、一人やってきた水族館。一匹のクラゲと目が合ったのでしょう。「ああ、あのこだけが、僕のかなしみわかってくれる」とほんの少し癒されたのかもしれません。         

「僕」を多用するするこの作者の特徴が如実に出ていて、「またか」との思いを抱いた人も多く(つまり作者を特定できてしまう)、やはり常に自分の殻を破ることが求められます。

 

蚊柱や郵便局のあったはず       岡村 知昭       探題:蚊

夏の夕暮れ時、柱状に群らがっています。よく見る上下左右に飛んでいます。なぜこのような事をするのか、よくわかりませんが、決して気持ちのいいものではありません。どこか不気味ですらあります。                                         挙句は『蚊柱や』と強く切れています。郵便局が無くなってしまったことが信じられないのでしょう。忽然と姿を消した郵便局。そこに妖しく蚊柱が。まるで異界に紛れ込んでしまったかのようです。