2022年7月24日第63回句会を行いました

· 句会

今年の夏は本当に天候不順。祇園祭の巡幸も復活。気が付けば蝉の大合唱。でも第七波も侮れないですね。

珍しく、こんな写真から

broken image

会場であるキャンパスプラザ1階ロビーの掲示板。皆さん是非こちらを目印にご参加くださいね。

さて、前回、不要不急の用事でおやすみされたKtjさんも無事復活!やはり彼がいないと盛り上がりませんね!

 

broken image

さて、今回も新しい方がお越しくださいました。席題は「緑蔭」               探題も出そろって、大いに盛り上がりました!

高得点句は!

遺伝子を消しごむで消す蘭鋳かな    手毬 まりこ    探題:消しごむ

 なんともおもしろい句ですね!句末に「かな」がありますので、一句仕立てと読みます。ランチュウの遺伝子を消す、それも消しゴムで、となります。作者は「クリスパー・キャス9」を思い浮かべたそうです!(筆者は寡聞にして知らなかったのですが、簡単に言うと、ゲノム編集の一種で、生命の設計図とも言われる全遺伝情報(ゲノム)を自在に変えられる技術だそうです。)そういえば、ランチュウは自然界には存在しない、人間が品集改良したものですよね。あのずんぐりとした体形がユーモラスですし、どことなく悲しげです。消しゴムとというお題でよくぞ作られました!

 

蝉しぐれ椅子の苦悩をたれぞしる    阿部 千恵子    探題:椅子

 まさに今「蝉時雨」の季節。椅子を見てその苦悩を思う。人間が椅子と同化しているのですね。蝉時雨という、大音量ながらも静寂を呼び起こす特別な季語。その中で人間の不思議な精神活動ですね。また「椅子の苦悩」は椅子に座っている人の苦悩ではないかという読みもあり、「だれ」ではなく「たれ」にしたところが、古からの長い時間の流れを感じさせて上手い、などの意見もありました。